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業績評価制度OKRの考え方と手法

OKRによる目標管理とは

OKRとは「Objectives and Key Results」の略語です。直訳すると「目標と、そのカギとなる成果指標の集まり」となります。OKRでは、まず目標(Objectives)を決め、その達成のために必要な要素を3〜4の成果指標(Key Results)に分解し、進捗をトラッキングします。

(例)会社としての目標

OKRと他の業績評価手法との比較

OKRがMBOやKPIなど他の業績評価手法と最も大きく異なる点は、個人や部署で何を達成できたかよりも、組織に属するメンバー全員が一つの目標に向かって行動することに主眼を置いている点にあります。

詳細にみると、OKRがMBOやKPIなど他の業績評価手法と異なる点は以下のとおりです。

このようにOKRは組織として全員一丸となって目標達成を目指すことを、個人の成果よりも重視する手法なのです。

OKR導入のメリットとデメリット

OKR導入はうまく運用すれば大きなメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、OKR導入のメリットとデメリットを紹介します。

OKR導入のメリット

部署・チームのモチベーションが上がり、一体感が生まれる

OKRでは、組織全体で一つの目標に向かって努力するので、部署・チームのモチベーションが上がります。組織の目標達成では組織と個人・チームの目標設定と方向性を合わせる必要があります。

このため、連携やコミュニケーションが必要なので、一体感が生まれ、自分の役割や存在意義を認識しやすいのもメリットといえるでしょう。

斬新なアイディアが生まれやすい

目標達成のための行動やコミュニケーションが活性化し、斬新なアイディアが生まれやすいのもメリットです。OKRでは、必ずしも達成率が100%でなくてもよいので、他の業績評価手法よりも高い目標を設定する傾向にあります。

簡単には達成できない目標だからこそ知恵を絞ることで、普段は思いつかないような斬新なアイディアが生まれます。

相乗効果で成長できる

常に同じ目標に向かって努力し、目標達成のために知恵を絞る環境が作られることで、チームや組織内の人間と切磋琢磨し、自分も努力しようというマインドが各個人に根付いていきます。

このような相乗効果で個人の成長が期待できます。また、各個人も自分の成長を実感しやすくなり、よい循環が生まれます。結果として、組織としての業績向上も期待できるのです。

OKR導入のデメリット

目標設定を誤ると効果が出ない

目標設定をする際に、組織全体の目標と部署・チームや個人の目標との間に整合性がなかったり、個人やチームの意見を無視するような目標が設定されていたりすると効果が出ず、むしろ逆効果になってしまう場合もあります。

組織全体の目的を達成するために部署・チームや個人の目標があるので、そこがずれてしまっては一体感が生まれるどころか部署・チーム内がギクシャクしてしまい、モチベーションも下がってしまいます。目標設定をする際には、組織全体の目標と部署・チームや個人の目標との間に整合性をもたせ、個人やチームの意見も取り入れる ことが大切です。

個人のモチベーションが下がってしまう場合がある

OKRでは、うまく運用しないと、個人のモチベーションが下がってしまう場合があります。これは、OKRが個人の成果は評価に反映されないためです。

自ら担当する業務を管理し、マイペースで仕事をしたい人などは、OKRの導入を拒んだり、導入しても効率的に仕事ができなくなってしまったりしがちです。このような事態を避けるため、メンバー全員に参加してもらい、組織全体で目標を共有し、内容や意義をしっかりと伝える必要があります。

生産性や効率が下がってしまう恐れがある

OKRでは、うまく運用しないと生産性や効率が下がってしまう恐れがあります。目標設定をしっかりすることが重要なのは前項で述べましたが、他にもOKRを導入するうえで必要な環境を整えたり、特定の管理職へ管理の負担がかからないよう負荷分散したりなど、配慮して運用する必要があります。

OKRの導入事例

メルカリでの導入事例

メルカリでは、国内では他社に先駆けて2015年にOKRを導入。クォーターごとに「グループ全体」⇒「各事業部」⇒「各部署」⇒「各チーム」⇒「個人」という流れでOKRを設定し、評価のフィードバックも行っています。

メルカリのOKRは以下の「メルカリグループミッション」と「メルカリグループバリュー」に沿う形で目標設定や評価が実施されています。「メルカリグループミッション」と「メルカリグループバリュー」とは以下のとおりです。

メルカリグループミッション

事業部ごとのOKRについては、週1回または隔週実施している事業部の全社員が集まる全体会議において、振り返りと意見交換を実施しています。

また、評価は「メルカリグループバリュー」を実践できているかどうかと、OKRを達成するプロセスの中で見られた成果やパフォーマンスが基準となっており、必ずしも達成率のみで評価されるわけではありません。このことが、チャレンジングな企業風土を生み出す要因となっています。

参照元:日本の人事部 イベントレポート(https://jinjibu.jp/article/detl/eventreport/2807/

参照元:wevox Leader Voice (株)メルカリの場合(https://get.wevox.io/media/mercari-story

インテルでの導入事例

OKRは長きにわたってインテルのCEOを務めたアンディー・グローブ氏によって生み出されたものです。1979年当時、経営が危機的状況にあった同社を、現在のOKRの原点ともいえる手法で業績回復させました。

まず、全従業員の半数におよぶ1,000人の従業員を動員し、「オペレーション・クラッシュ」と命名された事業戦略を実現するための仕組みづくりを行いました。

従業員へ情報を迅速に伝達し、理解と共有を徹底。従業員が事業戦略実現のため迅速かつ主体的に行動できる仕組みを作り上げました。この手法がのちにOKRと呼ばれるようになったのです。

Googleでの導入事例

Googleでは、2000年代のはじめにOKRを導入。以来、継続してOKRの運用を行っています。GoogleでのOKRは「世界中の情報を整理し、世界中の人にアクセスできるようにすること」というミッションが基点です。

このミッション実現のための目標と成果指標を決定し、TGIF(Thanks God It's Friday)ミーティングとよばれる進捗報告会を、世界各地の社員が参加できるように毎週木曜日に行っています。

また、Googleでは組織のOKRはあらゆるレベルの従業員が提案して決め、設定したOKRは、従業員に向けて公開されています。企業が大きくなるにつれ、組織全体の方向性や認識を統一し、同じ方向を目指すのが難しくなってきますが、Googleでは組織全体の方向性や認識を統一し、同じ方向を目指すためのツールとして、うまくOKRを活用しているといえます。

OKR運用の手法

OKRは次のような手法で実施していきます。

1.企業のOKR設定

企業のビジョンや戦略から導き出された、達成が困難でも不可能ではないレベルの目標を設定する必要があります。

次に目標達成に必要な成果指標を、3項目程度を目安に設定します。品質・性能・売上など、どのような成果でも構いませんが、数字で測れるかどうかを基準に設定します。

2.部門・個人のOKR設定

すべてのOKRを社内及びチーム単位で共有し、それを元に成果指標を3項目ほど設定します。以下、部門、チーム、個人のOKR順で、上位で設定されたものをもとにそれぞれ決定していきます。

3.進捗の確認

進捗の確認は上司だけでなく、関係者を集めて行う場合もあります。確実に運用をするためには、現場で定期的なミーティングとして進捗確認を進行させるとよいでしょう。

4.成果の測定

目標で定めた期日が来たら、成果を測定します。

5.OKRの見直し

効果測定が終わったら、次の目標を設定します。目標を見直す頻度は、企業の体質によって異なりますが、例えば企業全体の目標が数年に1回となる場合、部門やチームでは数か月から1年、個人なら月次を目安に行うといった考え方があります。

成果指標の見直しは、四半期に一度のペースで行います。見直しを行った結果変更しない、ということでも問題ありませんが、見直しを定期的に行うこと自体は必要です。

目標管理とツール活用

従来の目標管理は紙やエクセルで人事データを管理していましたが、ビジネスのスピードが速くなり、それに対応した細かい頻度で密に目標管理をしていくOKRのような手法では対応しきれなくなることが考えられます。
多くの人事評価制度周りのパッケージシステムでは、一見、製品によって機能にそれほどの差が見えないようにも思えます。しかし、人事評価やタレントマネジメントに特化しているものなどカバー範囲の違いがあるのです。
中にはスマートカンパニーなどのように、人事評価とそれに紐づく目標管理や人材育成に特化しているものも見られるようになってきました。
きめ細やかでスピード感のある人事制度は、これからますます経営戦略上の要になっていきます。現場の社員、管理職にとっても使いやすく、現状に沿った運用しやすさや公正さを持つ人事評価制度を成功させるために、本格的なシステム導入をじっくり協議しながら進められるようなツールを選んでいきたいものです。


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