人事考課が業績向上のための施作である以上、何らかの形で評価を社員にフィードバックすることは避けて通れません。それには、評価者がきちんと説明をするスキルも必要になってきます。では、どのような手順で行い、何が面談の成功のカギになるのでしょうか。
成果主義が導入されるまでは年功序列の職場が多く、人事評価によってあまり処遇に差が出ないために評価の詳細をきちんと伝える必要性が大きくなかったと言えます。
ところがグローバル競争の中で人件費もコストの一環としてメリハリが必要と考えられたことから、評価が直接処遇に響くようになりました。評価の差が大きくなると、その根拠をきちんと説明しなければならないという動機が生まれてきます。更に、その根拠を説明する場を利用して、人事戦略の一環として社員のモチベーション向上を図ろうという考え方が生まれてきたのです。
評価フィードバックはどのような機能を果たすべきなのかを見ていきます。
会社としての評価を本人に直接伝え、その根拠を明確に言語化して理解させます。
評価期間中にうまくいったこと、うまくいかなかったことを総括します。その原因の中には景気や天災、突発的な事故など本人には無関係な外的要因もあるでしょう。そこで、本人に原因を求められることを明確にし、改善や今後の向上に繋げるように話を進めていきます。
人事評価は、会社の業績を向上させていくための人事戦略の一環ですから、前項の総括を踏まえて、今後本人が何に取り組んでいくかの動機付けを行なっていかなければなりません。フィードバック面談では、会社の業績に資する今後の目標設定を行い会社との共通認識を作ります。
前提として、人事制度がどういう仕組みなっていて、評価の結果がどういう処遇につながるかについて、いろいろな機会を捉えて社員に理解してもらうことが必要になります。定期的に手順を追ってフィードバックを行うことで、社員の理解を深めて処遇を受容する態勢を作ります。
フィードバック面談ですべきことを整理した後は、いよいよ本人との面談です。ここでは、どのように面談を進めていくかを見ていきます。この面談には、最低でも一時間はかかると見ておいてください。
評価のための面談は公式な会社の行事であり、社員の今後の処遇に変化をもたらす重要なものです。社員の中には緊張して臨む方も多いことでしょう。そのため、まず緊張をほぐし、労いの言葉をかけるアイスブレイクからスタートするのが望ましいです。
場が少し解れてきたら、特別な事情がない限り評価とその理由を端的に面談の冒頭で伝えます。
前項で評価を述べた後、本人に所感を訪ねます。本人が納得してない場合は、理由を尋ねてみるべきです。会社としての評価はもう決まっていて覆すことは余程のことがない限りできません。そのため、「納得はいかないが、そういう考えなのは分かった」と一前向きな今後に繋がる譲歩を得られるように、お互いの考え方をすり合わせることが重要です。
今回の評価を踏まえて、今後どのようにチャレンジしていくか、どのような目標を持つかを話し合います。面談後、業務に前向きに取り組んでいけるように、最後にはしっかりと今後の期待を表明して終わらせてください。
フィードバック面談は、会社としての公式行事であり人事戦略の一環です。社員がしっかりと評価に納得し、今後も会社の業績に資する目標を持てるように、手順を踏んでお互いの考え方をすり合わせることが重要です。
※参考文献…高原暢恭(著)『人事評価の教科書―悩みを抱えるすべての評価者のために』株式会社労務行政(2008年11月出版)
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